ウェイコ・マンモス国定公園(Waco Mammoth National Monument)は、更新世(氷河期)に生息していたコロンビアマンモスの化石群を間近で見ることができる貴重な場所です。アメリカ国内で初、そして唯一記録されている更新世のマンモスの幼獣群の化石が出土したことで注目を集めています。この遺跡は、ウェイコ(Waco)のボスキー川沿いに広がる森林地帯に位置し、2015年に国定公園に指定されました。

1978年、化石の探索に来ていたポール・バロンとエディ・バフキンの二人が最初のマンモスの化石を発見しました。その後、ベイラー大学を中心とする研究者たちによって発掘調査が勧められ、1978年から1990年にかけて育成群を含む16頭のコロンビアマンモスの化石が発見されました。さらに、1997年にかけて6頭のマンモスが発掘されています。また、そのほかにも、西部ラクダ、ドワーフレイヨウ、アメリカアリゲーター、ゾウガメ、そして幼いサーベルタイガーの歯といった、当時の環境を物語る動物たちの化石も発見されています。なお、これらの化石が一カ所に集中している理由については、幾度かの洪水によるものと考えられていますが、未解明の部分も多く、現在も研究が続けられています。
園内には発掘シェルター(Dig Shelter)があり、1990年以降に発掘された化石の多くが、当時の地層の状態のまま保護・展示されています。シェルターは一般公開されており、通路沿いから化石を上から見学できます。自然光が降り注ぐ館内では、まるで発掘現場に立ち会っているかのような臨場感を味わえます。特に、体高14フィート(約4.3m)、体重 20000 ポンド(約9000kg)にもなるコロンビアマンモスの頭蓋骨や牙の化石は驚くほどに大きく、まさに圧巻といえるでしょう。なお、公園の入園は無料ですが、シェルターの利用は有料となります。料金は、大人$6、4〜17歳$5で、3歳以下は無料です。




また、この地の自然を楽しめるハイキングコースも整備されています。森林の中に作られた道を進んでいくと、樹齢150年にもなるテキサスライブオークの木などが並び、運がよければシカなどの野生動物に出会えるかもしれません。
ウェイコ・マンモス国定公園は、ウェイコ(Waco)のダウンタウンから車で約15分の場所にあります。ダラス(Dallas)やフォートワース(Fort Worth)、オースティン(Austin)からは、車で約1時間半から2時間程度です。駐車場は無料で利用できます。ウェイコ・マンモス国定公園は、感謝祭、クリスマス、元旦を除いて、毎日9時~17時まで営業しています。テキサス州の豊かな自然と歴史を体験できるスポットに、立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
Waco Mammoth National Monument
Address: 6220 Steinbeck Bend Dr, Waco, TX
Web Site: Waco Mammoth National Monument
photo: ©Visit Waco ©Travel Texas