テキサス州東部の町、パレスティン（Palestine）とラシュ（Rusk）を結ぶテキサス・ステート・レイルロード（Texas State Railroad）は、100年以上の歴史を持つ観光鉄道です。現在は蒸気機関車やクラシックなディーゼル機関車が牽引する列車に乗って、東テキサスの自然を車窓から楽しめる人気のスポットとなっています。
この鉄道は1881年、ラスク刑務所に併設された製鉄所の燃料や資材を運ぶために、囚人労働によって敷設されたのが始まりです。1909年にパレスティンまでの区間が完成。地域経済の発展を支え、旅客鉄道としても利用されました。しかし20世紀後半には貨物需要が減少し、廃線の危機に直面。その後、保存運動によって観光鉄道として再生され、1976年から観光客向けの運行が始まりました。今ではテキサスの歴史を伝える鉄道遺産として、多くの人々に親しまれています。
テキサス・ステート・レイルロードの魅力は、鉄道の歴史に触れながら列車の旅を楽しめることです。パレスティン駅（Palestine Depot）を出発し、片道約25マイル（40km）のラシュ駅（Rusk Depot）までを往復します。松林や湖、田園風景を抜けて走る列車の旅は、四季折々の風景を満喫できます。春は沿線に咲く野花、夏は深い緑、秋は紅葉、冬はホリデーシーズンに運行される「Polar Express Train Ride」と、訪れる時期によって違った楽しみが広がります。乗車時間は片道約1時間20分。ラシュ駅で約1時間20分の観光時間をはさみ、全体の所要時間はおよそ4時間となります。
現在の列車は主にディーゼル機関車が牽引していますが、蒸気機関車も保存・整備されており、イベントや特定の日に運行されることがあります。どちらのタイプが走るかは、公式サイトで確認することができます。
列車の座席は、木製ベンチのスタンダードクラスから、冷暖房付きのコンフォートクラス、さらには食事やドリンクを楽しめるファーストクラスまで多彩に用意されています。車内には売店やトイレも備わっており、快適に過ごせる工夫がされています。
運行は主に春から秋にかけての週末が中心で、冬はホリデーシーズンに特別列車が企画されます。スケジュールはシーズンごとに異なるため、訪問前に公式サイトで最新情報をチェックしておきましょう。料金は座席クラスやイベント内容によって変動します。スタンダードクラスは大人30〜40ドル、子ども20〜30ドル程度が目安。特別イベントやファーストクラスでは60ドル以上となる場合もあります。人気の高いアトラクションのため、チケットは事前に公式サイトから予約するのがおすすめです。
パレスティン駅へはダラス（Dallas）からクルマで約2時間、ヒューストン（Houston）からは約3時間と、ロードトリップの立ち寄りに便利なロケーションです。駅には広い駐車場が整備されており、通常は無料で利用できます。列車発車時刻の45分前の到着が推奨されているため、時間に余裕を持って向かうと安心です。
テキサス・ステート・レイルロードは、歴史ある鉄道遺産に実際に乗って旅ができる特別な観光スポットです。クラシカルな車両の音、松林を抜ける爽やかな風、そしてゆったりと流れる時間は、テキサスならではのロードトリップを彩る思い出となるでしょう。家族旅行や友人との旅はもちろん、乗り物好きの方にも一度は訪れてほしいスポットです。
Texas State Railroad
Address: 789 Park Rd 70, Palestine, TX
Web Site: Texas State Railroad
photo: ©Travel Texas
