サンアントニオ(San Antonio)の北東部、緑豊かな住宅街に佇むマクネイ美術館(McNay Art Museum)は、テキサス州初の近代美術館として知られています。20世紀中頃の美しいスペイン・コロニアル様式の邸宅を改装したこの美術館では、モネやピカソなど国内外の名画や彫刻、版画、写真など、22000点を超える幅広いコレクションを所蔵。併設の図書館には30000冊以上の文献が揃い、芸術と建築、そして自然が一体となった空間の美術館には、年間19万人以上が訪れます。
美術館の礎を築いたのは、画家であり熱心なアートコレクターでもあったマリアン・クーグラー・マクネイ(Marion Koogler McNay)です。現在の建物は、当時の夫であった眼科医ドナルド・T・アトキンソンと暮らした邸宅です。1950年、彼女の死後に700点を超える美術コレクション、邸宅、周囲の土地、そして美術館設立のための基金がサンアントニオ市に遺贈され、1954年に美術館が開館しました。開館以来、モネやピカソ、マティス、ジョージア・オキーフといった巨匠の作品をはじめ、アメリカやヨーロッパの近代・現代美術、日本の版画など、多彩な作品を収蔵する美術館へと発展しています。2008年にはジェーン・アンド・アーサー・スティエレン展示センターが増設され、特別展や大型の企画展も行われています。


館内は邸宅部分とジェーン・アンド・アーサー・スティエレン展示センターに分かれており、それぞれ異なる雰囲気でアートを楽しめます。邸宅内では、マクネイがデザインした手作りの装飾タイルの床や、優雅に彩られた天井画など、当時の面影を残す空間でコレクションを鑑賞できます。一方、新館では広々としたギャラリーに現代アートや特別展がゆったりと展示され、作品の魅力を存分に味わえます。



建物の外には、彫刻や噴水が点在する美しい庭園が広がります。静かな池や芝生の広場、木陰のベンチなど、作品鑑賞の合間にくつろぐのに最適なスポットです。天気の良い日には屋外展示の彫刻とともに、四季折々の自然も楽しめます。

営業時間は通常、水曜日から日曜日まで。曜日によって異なるため、公式サイトでイベント情報と合わせて確認しておくと安心です。入館料は、大人(20歳以上)$23、シニア(65歳以上)$18、ティーン(13 〜19歳)$10、12歳以下は無料です。敷地内には無料駐車場が完備されており、サンアントニオの中心部からクルマで約15分とアクセスしやすく、ロードトリップの途中でも気軽に立ち寄ることができます。
芸術と歴史的建築、そして自然が織りなすマクネイ美術館は、アート好きはもちろん、静かな時間を過ごしたい人にもおすすめのスポットです。サンアントニオ(San Antonio)を訪れる際には、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
McNay Art Museum
Address: 6000 N New Braunfels Ave, San Antonio, TX
Web Site: McNay Art Museum
photo:© Travel Texas © McNay Art Museum