キンベル美術館（Kimbell Art Museum）は、フォートワース（Fort Worth）の文化地区にある美術館です。1972年10月に開館したこの美術館のコレクションは、古代エジブトからモダンアートまで幅広く網羅しています。イタリア・バロック期の巨匠カラヴァッジョの絵画、ルネサンス期を代表するミケランジェロの彫刻、エドゥアール・マネの絵画など、世界的に価値のある作品を多数所蔵しています。また、美術館の魅力はコレクションだけにとどまらず、建物そのものも芸術作品として評価されています。ポイントとして知られています。
キンベル美術館の基盤となったのは、1936年にケイ・キンベル夫妻とその家族によって設立されたキンベル美術財団です。当初は18〜19世紀の英国やフランスの肖像画を中心に収集していましたが、ケイの死後、1956年に初代館長となったリチャード F. ブラウンの方針により、「量より質」を重視した幅広いコレクションの収集へと方向転換しました。
現在、美術館では、紀元前3千年紀から20世紀半ばまでの作品を所蔵し、アジア美術、非西洋美術、ヨーロッパ美術を網羅しています。この多様なコレクションは、フォートワース近代美術館（主に20世紀半ば以降の作品を収蔵）やアモン・カーター美術館（アメリカ美術に特化）の所蔵方針と補完し合う形になっています。
常設展では、約350点の所蔵作品を展示しています。アンリ・マティス、クロード・モネ、パブロ・ピカソ、エドガー・ドガ、与謝蕪村などの作品が本館に並び、ヘンリー・ムーア、イサム・ノグチの彫刻などが美しい庭園に展示されています。さらに、多彩な特別展も随時開催されており、最新のスケジュールは公式サイトで確認できます。
また、この美術館には2つの芸術的な建物が存在します。まずメインとなる本館の建物は、エストニア系アメリカ人建築家ルイス・カーンによって設計され、自然光を巧みに取り入れた空間が特徴です。そして、もう一つの建物は、世界的に有名なイタリア人建築家レンゾ・ピアノが設計し、2013年11月にオープンしたレンゾ・ピアノ・パビリオンです。カーンの設計を尊重しつつ、現代的なデザインを取り入れたこの建物には、「呼吸する床」と呼ばれる通気口を備えた床や、静かな空間を維持する開閉式の壁といった精巧な技術も採用されています。なお、これらの建物を深く理解できる無料のガイドツアー（登録不要）が、毎週土曜日の午後2時から実施されています。
キンベル美術館は、毎週月曜日およびクリスマスや元旦などは休館で、日曜日と金曜日は12時から、その他は10時からオープン、17時に閉館となります（金曜日のみ20時までオープン）。入館料は大人$18、学生は$16、6から11歳の子どもは$14で6歳未満は無料です。美術館内の駐車場は無料で利用できます。また、館内にはランチやアフターヌーンティーが楽しめるカフェやオリジナルアイテムを販売するギフトショップも併設されています。
キンベル美術館は、ダラス・フォートワース空港（Dallas Fort Worth International Airport）から約30分のドライブでアクセスすることができます。世界的に価値あるコレクションと建築美を誇るキンベル美術館を訪れ、フォートワースの文化を満喫する一日を計画してみてはいかがでしょうか。
Kimbell Art Museum
Address: 23333 Camp Bowie Blvd, Fort Worth, TX
Web Site: Kimbell Art Museum
photo: ©Travel Texas ©Travel Fortwort ©Kimbell Art Museum ©KURUMAG
