ダラス(Dallas)のダウンタウンから南東に約5km、車でわずか10分ほどの場所に位置するフェア・パーク(Fair Park)は、年間500万人以上が訪れる、テキサスの歴史や文化、芸術、エンターテインメントが融合した文化施設です。約277エーカー(112ヘクタール)のという広大な敷地を誇るこの施設は、1936年に「テキサス建国100周年記念博覧会(Texas Centennial Exposition)」の開催地となったことで世界的な注目を集めました。また、モータースポーツファンには、1984年の「F1ダラス・グランプリ(F1 Dallas Grand Prix)」の開催地として知られた場所でもあります。
フェア・パークは1886年、テキサス州祭「ステート・フェア・オブ・テキサス(State Fair of Texas)」の開催地として設立されました。その後、1905年に鉄骨構造の展示施設「センテニアル・ホール(Centennial Hall)」が、1930年にはフットボールスタジアム「コットン・ボウル・スタジアム(Cotton Bowl)」が加わりました。1936年の博覧会では、国内外の建築家や芸術家によって、アール・デコ様式の建物や彫刻、テキサスの歴史・経済・自然を描いた壁画などが多数制作されました。それらは今も数多く残されており、米国で1950年代以前の万国博覧会の会場がほぼ当時のまま保存されている唯一の場所として、アメリカ国家歴史登録財にも指定されました。現在では年間500万人以上が訪れるダラスのランドマークのひとつになっています。
「ダラス子ども水族館(Children’s Aquarium)」、「ダラス歴史博物館(Dallas Historical Society)」、「アフリカン・アメリカン博物館(African American Museum)」、「テキサス・ディスカバリー・ガーデンズ(Texas Discovery Gardens)」など、園内には歴史や文化、自然を学べる施設が点在しています。また、「ミュージックホール(Music Hall at Fair Park)」や「ドス・エキス・パビリオン(Dos Equis Pavilion)」では、ブロードウェイのツアー公演やコンサートなど、音楽や舞台芸術のイベントが多数開催されています。


園内を散策すると、美しい彫刻や壁画、水辺の風景に出会うことができます。特に博覧会の際に整備された「フェアパーク・エスプラネード(Fair Park Esplanade)」では、音楽に合わせて3つの噴水が連動するショーが人気を集めています。



フェア・パークで開催されるイベントの中で、最大のイベントは1886年以来毎年秋に開かれる「ステート・フェア・オブ・テキサス」です。アメリカ最大級の州祭として知られ、24日間にわたる期間中には、テキサスグルメ、家畜品評会、ライブ演奏、遊園地など、幅広い年代が楽しめる催しが数多く開催されます。会場入口で来場者を迎える巨大なカウボーイ人形「ビッグ・テックス(Big Tex)」は、長年にわたりフェアの象徴となっています。



フェア・パークの営業時間は6時から22時までで、入園料は無料です。ただし、博物館やホールなどの各施設やイベントには、それぞれ営業時間や料金が設定されているため、訪問前に公式サイトでの確認をおすすめします。園内には複数のパーキングエリアがあり、通常は無料で利用できますが、大規模イベント開催時は有料になる場合もあります。広大な敷地内では施設ごとに最寄りの駐車場が異なるため、目的の場所に近いパーキングを事前にチェックしておくと安心です。
アール・デコ建築の美しさと、テキサス文化の粋を感じられるフェア・パークは、ダラスを訪れるなら一度は足を運びたいスポットです。ダウンタウンからのアクセスもよく、歴史、芸術、自然、エンターテインメントが一体となったこの場所は、何度も訪れたく魅力的なダラスのランドマークといえるでしょう。
Fair Park
Address: 3809 Grand Ave, Dallas, TX
Web Site: Fair Park
photo: ©Visit Dallas ©State Fair of Texas