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Bishop’s Palace|ガルベストンを代表する豪華ビクトリア建築の邸宅
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Explore, Galveston, Gulf Coast, Historic site

Bishop’s Palace|ガルベストンを代表する豪華ビクトリア建築の邸宅

メキシコ湾に面したリゾートタウン、ガルベストン(Galveston)は、19世紀から20世紀初頭にかけて交易と港湾で栄え、「南部のウォール街」と呼ばれた歴史を持ちます。町の中心や東端に広がる歴史地区には、当時の繁栄を今に伝える美しい邸宅や建築物が数多く残されており、観光客に人気のスポットとなっています。その中でもひときわ存在感を放つのがビショップス・パレス(Bishop’s Palace)です。

ビショップス・パレスは、正式には「Gresham House」と呼ばれる石造りの大邸宅で、1892年に鉄道王でありテキサス州議会議員でもあったウォルター・グレシャム大佐と、その妻ジョセフィンのために建てられました。設計を手がけたのはガルベストンを代表する建築家ニコラス・J・クレイダー。ロマネスク様式を基調とした重厚な外観に、ビクトリア時代らしい繊細な装飾を組み合わせた「ビクトリアン・ロマネスク様式」の建築は、アメリカ国内でも最も美しいビクトリア建築のひとつと高く評価されています。現在は国家歴史登録財(National Register of Historic Places)に指定されています

この邸宅が「Bishop’s Palace」と呼ばれるようになったのは、1918年にカトリック教会が購入し、ガルベストン教区の司教公邸として利用したことに由来します。また、1900年に町を襲った大ハリケーンの際にもこの邸宅は倒壊せず、多くの市民を避難させた堅牢な建物としても知られています。

館内は一般公開されており、入館料を支払って自由に見学することができます。大理石の暖炉やステンドグラス、手彫りの木製パネルなど、細部に至るまで職人技が光るインテリアは必見です。豪華な大広間や礼拝室、そして塔の上階から望むガルベストンの町並みは、当時の富と文化を物語る圧巻の見どころといえるでしょう。さらに、有料の特別ガイドツアーに参加すれば、通常のセルフツアーでは入れない地下室や屋根裏部屋まで見学でき、より深く建物の歴史を体感することができます。

ビショップス・パレスの周辺にも、歴史的建築物が点在しています。代表的なものとしては、同じくクレイダー設計による「Moody Mansion(ムーディ・マンション)」があります。20世紀初頭に石油と綿花産業で財を成したムーディ家の邸宅で、こちらも内部が一般公開され、クラシカルな家具や当時の生活様式を知ることができます。さらに「Ashton Villa(アシュトン・ヴィラ)」も外せません。1859年に建てられたレンガ造りの邸宅で、南北戦争やガルベストンの社会史と深い関わりを持つ建物です。また、ビクトリア様式の町並みが美しい「East End Historic District」を散策すれば、歴史的邸宅が立ち並ぶ風景をゆったりと楽しめます。これらを組み合わせて巡れば、ガルベストンが経済的に繁栄した時代の息吹を肌で感じることができるでしょう。

ビショップス・パレスの営業時間は毎日10時〜17時(最終入館は16時)で、入場料は大人(19歳以上)$15、子ども(6〜18歳)$12、5歳以下は無料です。年に数日の休館日が設けられているため、訪問の際には公式サイトで最新情報を確認しておくことをおすすめします。

ビショップス・パレスのあるガルベストンの歴史地区はダウンタウンやビーチから近く、車での移動が便利です。ビショップス・パレス周辺には路上駐車スペースがあり、また近隣には有料・無料の公共パーキングも点在しています。複数の邸宅を巡る場合は、目的地ごとに駐車し直すよりも徒歩での散策がおすすめです。コンパクトにまとまったエリアなので、歩いて回るだけでも十分に楽しめます。

ガルベストンへはヒューストン(Houston)から車で約1時間とアクセスも良好です。ロードトリップで訪れる際には、ビーチサイドのドライブを楽しみながら、ビクトリア時代の優雅さが残る邸宅群を巡り、当時の人々の暮らしと町の物語に触れてみてはいかがでしょうか。

Bishop’s Palace
Address: 11402 Broadway Avenue J, Galveston, TX
Web Site: Bishop’s Palace

photo: ©Travel Texas ©Visit Galveston ©KURUMAG