ハーマン・パーク（Hermann Park）は、ヒューストン（Houston）にある自然と文化を同時に楽しめる人気の都市公園です。年間およそ600万人が訪れるといわれており、ヒューストンの人々にとって日常的な憩いの場であると同時に、観光客にとっても見逃せないスポットです。1924年に開園したこの公園は、博物館地区（Museum District）の中心に位置し、約180ヘクタール（445エーカー）の広大な敷地に、自然、文化、レクリエーションが融合した空間が広がっています。
その歴史は、石油業で財を成したジョージ・ヘンリー・ハーマン（George H. Hermann）がこの土地をヒューストン市に寄贈したことに始まります。彼の遺志を受けて、市民のための公園として整備が進められ、100年にわたってヒューストンの発展とともに歩んできました。現在ではヒューストン動物園、ヒューストン自然科学博物館、美術館、庭園などが集まり、市民の文化・教育・レジャーの拠点となっています。
公園内には見どころが数多くあります。たとえば、2014年に公園の100周年を記念して造られた「マクガバン・センテニアル・ガーデンズ（McGovern Centennial Gardens）」は、季節の植物や滝、丘の展望などが楽しめる整備された庭園です。メインエントランスに立つ「シェリー・フローレス・ガーデン・パビリオン（Cherie Flores Garden Pavilion）」は、Apple Storeの設計で知られる建築家ピーター・ボーリン氏によって設計された建物で、庭園全体に美しいアクセントを加えています。
また、園内には「日本庭園（Japanese Garden）」もあり、1992年に日米の友好の象徴として開園しました。日本から招かれた造園家・中島健氏の設計により、滝や石庭、季節の花木がバランスよく配された静かな空間となっており、ヒューストン市民にも人気の高いスポットです。
ファミリーにとって特に人気なのが「ヒューストン動物園（Houston Zoo）」です。約22ヘクタール（55エーカー）の敷地に6,000頭以上の動物が飼育されており、教育施設としても観光名所としても高く評価されています。入園チケットはオンラインでの購入が推奨されており、訪問前に公式サイトをチェックするとスムーズです。
子ども連れには「ハーマン・パーク・レールロード（Hermann Park Railroad）」もおすすめです。これは公園内を一周する小型の観光列車で、大人も一緒に乗車できます。平日は1日乗車券が6ドル、週末と祝日は7ドルで販売されています（※価格は変更される可能性があるため、最新情報は公式サイトをご確認ください）。
そのほか、マクガヴァン湖ではペダルボートでのんびりと水上散歩を楽しむことができ、自然に囲まれたジョギングコースやサイクリングコース、ピクニックエリアも整備されています。さらに、クラブハウスを備えたゴルフコースもあります。屋外ステージである「ミラー・アウトドア・シアター（Miller Outdoor Theatre）」では、年間を通して無料の演劇、音楽、映画上映などのイベントが開催されており、地元住民や観光客で賑わいます。
ハーマン・パークの開園時間は午前6時から午後11時までとされており、広い敷地内の各施設によって営業時間が異なります。訪問前には、公式サイトなどで営業時間やチケット情報を確認するのがおすすめです。
アクセスについては、ヒューストン中心部からクルマで約10〜15分と便利な立地にあり、園内および周辺には複数の公共駐車場が用意されています。特定の施設を目指す場合は、その周辺の駐車場をあらかじめ調べておくとスムーズです。ただし、週末やイベント開催時は混雑が予想されるため、早めの来園が安心です。また、公共交通機関ではMETRORailの「Hermann Park / Rice U Station」が最寄り駅となっており、ダウンタウンに滞在しているのであればこちらも便利です。
ハーマン・パークは、ヒューストンの豊かな自然と多彩な文化・教育施設を一度に体験できる、まさに都会のオアシスと呼ぶにふさわしい場所です。自然の中でリラックスしつつ、アートや動物とのふれあいも楽しみたい方には、おすすめしたいスポットのひとつです。
Hermann Park
Address: 6001 Fannin St, Houston, TX
Web Site: Hermann Park
photo: © Hermann Park
