サン・アントニオは、1718年にスペインの探検家アルカラ・デ・エナーレスによって設立された歴史ある町です。200万人を超えるテキサス州で2番目に人口の多いこの町は、豊かな歴史と多様な文化が融合した魅力的な観光地です。美しい川沿いのリバーウォークやミッションといった歴史的建造物、地元のテクス・メクス料理、年間を通じて開催されるフェスティバルなど、多くの観光客を魅了しています。また、インターステイト35（Inter State35）やインターステイト10（Inter State10）といったテキサス州ロードトリップの人気ルートもこの町を通っています。
サンアントニオの歴史は、スペインの植民地として始まりました。スペインから派遣された宣教師によってミッションが建設され、集落がつくられました。1821年のメキシコ独立戦争によってメキシコがスペインから独立した際にはメキシコの一部となりましたが、1836年にテキサス革命によってテキサス共和国が成立すると、サン・アントニオはテキサス共和国の首都となりました。その９年後の1845年にテキサス共和国は、アメリカ合衆国に併合しました。このように300年以上にわたるサン・アントニオの歴史には、スペイン、メキシコ、アメリカといった各国の多様な文化が交差してきました。各国のさまざまな文化は町の各所に色濃く残り、サン・アントニオならではのユニークな魅力がつくりだされています。
サン・アントニオでは、いくつもの歴史的建造物が残されています。18世紀にフランシスコ会ミッションが建設した5つのミッション群はテキサス州唯一のユネスコ世界遺産です。中でも、ダウンタウンにあるテキサス州の歴史的ランドマークのひとつアラモ伝道所（Alamo）はテキサス革命の激戦の舞台となった場所で、訪れておきたい場所のひとつです。そのほかにも、ダウンタウン周辺には、サン・アントニオ・ミッションズ国立歴史公園、1906年開業のフェアマウント・ホテル、かつて醸造所だったザ・パールなどさまざまな時代の建物を目にすることができます。また、かつてロングホーン（牛）の移送ルートだったチザム・トレイル（現インターステート35の一部）の起点の町といわれるサン・アントニオには、現在も営業中のテキサス最古の酒場をはじめカウボーイ文化に触れられるバックホーン・サルーン＆ミュージアム（Buckhorn Saloon and Museum）などもあります。
町の中心部を流れるサン・アントニオ川沿いには、美しい景観で知られる遊歩道リバーウォーク（River Walk）があります。この遊歩道は、町の中心部から歴史的なミッションなどダウンタウンの主要な観光スポットを繋いでいます。沿道には、レストランやショップ、カフェが並び、水上から町を眺めるボートツアーや夜間のライトアップなどもあり、昼夜を問わず多くの人で賑わっています。
サン・アントニオでは、食文化を楽しむことも忘れずに。特にメキシコ料理とテキサスの料理が融合した地元で愛されるテクス・メクス (Tex-Mex) 料理は人気で、リバーウォーク沿いには、多くのレストランが立ち並んでいます。「アメリカ国内最大のメキシカン・マーケット」として知られているヒストリック・マーケット・スクエア（Historic Market Square）では、Mi Tierra Caféなどで本格的なメキシコ料理を楽しむこともできます。また、人気のBBQレストランPinkerton’s Barbecueやこの地で最も古くから営業しているレストランのひとつドイツ料理のSCHILO’Sなどもおすすめです。
この町は、ロードトリップを計画する人たちに人気の拠点でもあります。カウボーイの歴史や文化を辿るドライブルートで知られるインターステイト35（Inter State35）やスペイン植民地時代を支えた北米大陸横断ルートのインターステイト10（Inter State10）といったテキサス州ロードトリップにおける人気のドライブルートが通っていること、また、オースティン（Austin）やフレデリックスバーグ（Fredericksburg）など美しい緑が広がるヒルカントリーの各都市へも1時間半ほどのドライブでアクセスが可能なことがその理由です。
歴史・文化・食とさまざまな魅力を持つサン・アントニオは、テキサス州の魅力に触れる観光地としてはもちろん、ロードトリップの拠点としても外すことのできない場所です。宿泊施設も多いので、滞在を前提に訪問計画を立てるのがおすすめです。
San Antonio
Address: Alamo Plaza, San Antonio, TX
Web Site: San Antonio
photo:©Brand USA,©KURUMAG,©Travel Texas
